Things a little bird told me

鳥さんや自然のこと、日々の中で感じたことなどを綴っています。

真夏の夜の鳥

 

暑い夏の夜、いつもの場所で空を見上げてた。

通行人もまばらになった時間帯。

「今日は、何羽来てるんやろう?」

じっと上を見上げている私を見て、つられて上を見上げる男性。

「あれ?こんなところに?」という風にスマホを取り出して、写真を撮っていた。

 

 

「あれ、何なん?」

小学生低学年ぐらいの男の子が、お父さんに聞いた。

「ああ。ムクドリやろ」

若いお父さんは息子に鳥の名前を教えてあげていた。

確かに…こんなところにたくさん集まって来ていたら、ムクドリかと思うかも…。

 

 

買い物帰りの女性が上を見上げて、同じように「今日も来てるね~」と優しい目で見つめていた。

きっと毎日、買い物帰りに見上げているのだと思った。

ここは、昔から毎年夏になると、巣作りにやって来る。

商店街の人達は皆、毎年やって来るツバメを大事にしているらしい。

 

 

カメラを構えて何枚か撮ってみる。

うまく撮れない。

脇道で、背面モニターで確認していたら、男性に声をかけられた。

「撮れますか?」

「暗いので難しいです」

「あ、でもこれなんて綺麗に撮れているんじゃないですか?」

少し立ち話をした。

「ここは毎年たくさんやって来るんですよ。でも意外と皆知らないんです。」と笑ってその男性が教えてくれた。

「毎年、少しずつ場所を変えてるみたいです。」

 

 

「ああ、嫌やねえ。まだおるわ。」と若いカップルが上を見上げて言った。

 

「あ~ここ通るの嫌や」

「え~、そうなん?」と高校生の2人組。

 

見上げている私の横に、ある日、女性が並んで立ち、声をかけてきた。

「気持ち悪いでしょ?なんなんやろうね、これ」

「ツバメですよ」と返す。

「娘が気持ち悪がって、ここを通りたくないって言うの」

「もう少しでいなくなりますよ」

夏鳥、だから?」

頷く。あとは黙って話を聞いていた。

 

 

酔っ払いの男性3人組に声を掛けられる。

「上に何があるの?」

「鳥ですよ」

全員一斉に空を見上げる。

「あれ!?ツバメ?こんなところに?なんで?凄い凄い」

しばらく立ち話をしたあと、ええこと知ったわ~ありがと~とご機嫌さんで去って行った。

 

 

「ねえちゃん、そっちもええけど、こっちこっち!こっちの方がたくさんおるからええ写真撮れるで!」と、通りがかりの女性。

「はい。ありがとうございます」と返す。

女性はそのまま行きかけて、思い出したように聞いてきた。

「なんでこんなところに集まってくるん?」

なんでだろう?ツバメは何故ここに毎年やって来るのか。

「さあ…多分ここが居心地ええから。ここの人が皆優しいからじゃないですか?」

女性は、にやっと笑って、商店街の方に消えて行った。