Things a little bird told me

鳥さんや自然のことを中心に綴っています。

さよなら、ぼさお!

 

7月中旬のある朝。

ぼさおと出会った山に入った。

先週訪れた時は歌声すら聞こえなかったけど、

もしかしたら会えるかもしれない。

山道を登ってぼさおが縄張りにしていた場所へ行ってみた。

オオルリの歌声は聞こえなかった。

しばらく待ってみる。

すると、元気な歌声が遠くから聞こえてきた。

歌声は近づいて来て、頭上でとまった。

ぼさおの歌声だ!

ぼさおは歌いながらすーっと下に下りて来て、いつものポジションにとまった。

 

 

f:id:chocotarou:20190820170120j:plain

f:id:chocotarou:20190820170232j:plain

f:id:chocotarou:20190820172229j:plain

「やあ!元気だった?」

 

元気だよ!

歌声が聞こえなかったから、もういなくなっちゃったのかと思ったよ。

相変わらず元気そうだね、ぼさお!

脇腹のぼさぼさ感はまだ残っているけど、

出会った頃と比べるとだいぶ綺麗になったね。

 

 

ぼさおはしばらく、耳を澄ませて遠くで歌っているオオルリの声を聞き、その歌に呼応するように、歌っていた。

f:id:chocotarou:20190820173459j:plain

f:id:chocotarou:20190820173710j:plain

ライバルの声に耳を傾けるぼさお

f:id:chocotarou:20190820173808j:plain

f:id:chocotarou:20190820173841j:plain

ライバルの歌声に歌で返すぼさお

f:id:chocotarou:20190820173937j:plain

 

 

好奇心旺盛なぼさおはこちらが待っていると、興味津々でよく近くに下りてきていたけど、この日は何故かこちらをじっと見てくることが何度もあった。

f:id:chocotarou:20190821113723j:plain

じっと見つめてくるぼさお

f:id:chocotarou:20190821112830j:plain

視線をそらす

 

こちらをじっと見ているぼさおとの距離はほんの3mぐらい。

この後、ぼさおは2m以内のところまで近づき、地上すれすれのところでホバリングをしてみせた。

餌を捕るための動作だったのか?

すぐ傍でホバリングをするぼさおの姿はまるでキラキラ輝く青い宝石のようで、

夢の中にいるような瞬間。

その様子をカメラに収めるのを忘れるぐらい、じっと見つめていた。

 

 

その後、ぼさおは歌を歌ったり、谷に下りて行き水浴びをしたりして、いつものように休憩時間を過ごしていた。

f:id:chocotarou:20190821115852j:plain

「水浴びは最高だよ!」

f:id:chocotarou:20190821120153j:plain

「あ~、かいかい!」

f:id:chocotarou:20190821120245j:plain

f:id:chocotarou:20190821120328j:plain

「ぼくはこの通り元気さ!」

 

水浴び後も近くの枝にとまり、何度もこちらを見つめてきた。

ぼさお、何か伝えたいことがあるの?

f:id:chocotarou:20190821120626j:plain

「ねえ、ここはぼくたちにとっていいところだよ」

f:id:chocotarou:20190821120909j:plain

 

 

やがて、ぼさおは少しずつ遠ざかって行った。

いつもなら何度も休憩に下りて来ていたぼさお。

この日はもう二度と下りてくることはありませんでした。

そしてこの後、ぼさおに会うことはありませんでした。

 

 

f:id:chocotarou:20190821121240j:plain

私が見たぼさおの最後の姿

 

 

 

最後にぼさおと会ってから約2週間後…

 

f:id:chocotarou:20190821122047j:plain

 

 

f:id:chocotarou:20190821122522j:plain

f:id:chocotarou:20190821122346j:plain

「あれ?あんた…知らなかったのかい?」

f:id:chocotarou:20190821122647j:plain

「あのぼさぼさのオオルリ、最後の最後にお嫁さんがやって来たんだよ」

f:id:chocotarou:20190821122806j:plain

「つい昨日か一昨日のことだよ、巣立ってったの」

 

 

この山で時々お会いするバーダーさんから、脇がぼさぼさだったオオルリがメスと一緒に餌を咥えて崖の方へ行ったり来たりしていたということを聞きました。

縄張りとしていた場所から少し上流へ行った断崖絶壁の上の方、人が近づけない場所で営巣していたようだったとのことでした。

その方が最後に見たのは、ぼさおが崖の近くの枝にとまり虫をくわえて、巣にいるであろう雛を促している姿だったそう。

 

4月初旬、ぼさぼさでくたびれた姿のオオルリは、7月に入ってやっと素敵なパートナーに出会うことができたようです。

 

良かったね、ぼさお!