フラッグとメッセージ

 

5月下旬、渡り途中のシギチたちに出会いました。

少し前のことになるのですが、出会った記録として残しておきたいのでブログに書いています。

 

 

春の渡り途中で出会ったシギチたち

チュウシャクシギ

 

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チュウシャクシギとはこれが初めての出会いでした。

日本では旅鳥です。

冬はオーストラリア沿岸部などで越冬し

春になるとユーラシア大陸などの亜寒帯地方まで渡り

秋になると南の国へと移動していきます。

日本へは、春と秋の渡りのシーズンに立ち寄るだけ。

体長は約42cm。カニなどの甲殻類やカエルなどの昆虫類を食べるそう。

 

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チュウシャクシギの頭には中央に白い線が縦に入る

 

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顔をカキカキ

 

干潟を散歩している人が近くを通ると

「ピピピピピピピッ」と鳴きながら海の向こうへと飛んで行ってしまいました。

でもしばらくするといつの間にかまた干潟に戻って来てた(笑)

ここには美味しい餌がたくさんあるんだろうな。

 

ハマシギ

 

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ハマシギをちゃんと認識できたのはこれが初めてでした。

ハマシギは体長約16~22cm。日本では旅鳥、または冬鳥。

冬は中国南部などで越冬し春になるとユーラシア大陸等へ渡り、繁殖します。

ハマシギの夏羽ではお腹が黒くなりますが、近縁種で夏羽が黒くなる種は他にいないので、

春の干潟でお腹が黒いシギチを見かけたら、ハマシギだと識別できます。

 

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砂の中にいる貝類を探して食べます

 

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夏羽でお腹が黒くなるのはハマシギだけ!

 

干潟での~んびり一本足で立って羽を休めたり、ちょこちょこちょこっと素早く歩き回って、砂の中に嘴を突っ込んで小さな貝類を探して食べていました。

砂浜を歩き回る姿がとても可愛らしい(^^♪

 

キアシシギ

 

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キアシシギは体長約23~27cm。名前の通り足が黄色です。

冬は東南アジアやオーストラリアで越冬し

春になるとシベリア、カムチャッカ半島まで渡り、繁殖します。

キアシシギも上の2種と同様に、日本では渡りの途中に立ち寄る旅鳥です。

 

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仲良く2羽並んで♪ ユリカモメと比べてもとても小さい

 

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左端のキアシシギの足にフラッグを発見!

 

キアシシギのフラッグ

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右足の青いフラッグに"2U"という文字

 

キアシシギの群れの中に1羽、フラッグがつけられている子がいました。

何枚か撮影した写真を確認してみると、右足に青いフラッグがふたつと左足にシルバーのリングがひとつ。

 

山階鳥類研究所さんのサイトで調べてみると、この子は北海道のコムケ湖でフラッグをつけられたそうです。

 

 

☟足環・フラッグの詳細については

渡り鳥と足環|山階鳥類研究所 (yamashina.or.jp)

 

※足環・フラッグをつける主な目的は、個体数が減少しているシギ、チドリ類の渡りの生態を知り、その保護、繁殖地や越冬地の保全のためなのだそう。

 

 

☟ところでコムケ湖ってどこなん???

 

渡り鳥たちの中継地点になっているそうです。

越冬地である東南アジアやオーストラリアを出発し、この関西の小さな干潟に立ち寄ったあと日本列島を北上し、北海道のコムケ湖等を経由してシベリア等へと旅立っていくんでしょうね。

綺麗な夕陽が見られる自然豊かな素敵な場所みたい。

いつか行ってみたいなあ。

 

*****

 

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キアシシギの右足に細いワイヤーのようなものが…

 

 

シロチドリ

 

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シロチドリは体長約15~17.5cm。日本では留鳥または漂鳥です。

日本の北部で繁殖し、冬になると南部に移動して越冬します。

シロチドリもコアジサシと同様に、繁殖場所となる砂浜の減少

生息場所における人のレジャー利用などで数が減少し

絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

 

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「ハロー♪」

 

柔らかい砂の上をトコトコトコとすばしっこく駆けていきます。

その様子がとってもキュート!

 

シロチドリからのメッセージ 

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飛んできたシロチドリさん

 

以前にも何度か経験したことがあるのですが

鳥たちの中には時々好奇心旺盛な子がいるみたいで

鳥の方から近づいて来てくれることがあります。

この子もあまりにも近くまでやって来てくれた。

何かお話したいことがあるのかな?

 

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「やあ!一人なの?」と声をかけられたみたい

 

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のんびり羽繕い

 

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暫くの間一緒に座ってのんびり海を眺めていましたが、犬を連れた人が近くを通ったため、仲間のところに帰って行きました。

 

*****

 

帰宅して写真を眺めていると、

シロチドリの右の趾に糸のようなものが巻き付いていました。

左の趾と比べると腫れているようにも見えました。

 

ひょっとするとシロチドリは、このことを伝えに来たのかもしれない。

 

 

あの子はあれから

無事に目的地へとたどり着くことができただろうか。

 

あの時気づいて、ほんのすこしの時間シロチドリの自由をもらえたなら

趾に絡まった糸を切ることができたのに。

 

でもシロチドリたちが望んでいることは

そんなことでは無いのかもしれないな。